知る・見る・創るアート 2026

「視覚の裏側」展 1991 年

ヤン・フート、会場にて 背景はルネ・マグリットの作品

参加者募集
206.9.12〜2027.1.16 土曜日19時〜

全7回(講義5回+ワークショップ1回+対談1回)
講師=小倉康之、平芳幸浩、和多利有、新藤淳
ワークショップ=あなたも今日からキュレーター

対談=新藤淳×和多利浩一

態度がフォルムになるとき

When Attitudes Become Form

史上初のインディペンデント・キュレーター

ハラルド・ゼーマンの伝説的な展覧会タイトル

22歳以下の方、ワタリウム美術館 メンバーシップ サポート会員、アートパス会員の方には割引がございます。
ワタリウム美術館1F受付でもお申込いただけます。

「キュレーション」という言葉が生まれて半世紀以上の時が経ち、今日ではアートの枠を超え、多くの場面で用いられるようになった。しかし、私たちは広義化している「キュレーション」をうまく捉えられているのだろうか。

本年度のシリーズでは今一度「キュレーション」の原型に立ち戻り、作品・展覧会の見え方を改めて考え直す。コンテキストを考え、無数の情報・要素から自ら選び、整理する。展示だけでなく、日常生活、そして世界そのものの見え方が変わるような機会にしていきたい。

◆スケジュール

(過去を)知るアート
① 9.12(土) 講義
展示空間としての教会堂 1 ― 聖地巡礼とバシリカ式プラン ― 教会巡礼と様式の変化

講師:小倉康之(玉川大学教授・美術博士)
西欧中世の教会建築は、祈りの場(典礼空間)であると同時に、聖遺物を巡る巡礼者たちに向けた壮大な「展示空間」でもありました。本講座では、旧サン・ピエトロ大聖堂の空間構造や、スペインや南仏へ広がる巡礼路教会堂の歴史を紐解きます。現代のキュレーターさながらに空間を演出した当時の聖職者の意図に迫ります。

② 9.26(土) 講義
展示空間としての教会堂 2 ― ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂を“読む”―

講師:小倉康之
ブラマンテやミケランジェロら巨匠たちが設計した現在のサン・ピエトロ大聖堂。実はそこには、コンスタンティヌス大帝による由緒ある「旧聖堂」が存在しました。なぜ偉大な文化遺産は取り壊され、新築されるに至ったのでしょうか。ラファエロの壁画を手がかりに、ヴァチカンに隠された壮大な「改築と展示の意図」を読み解きます。

(今を)見るアート
③ 10.10(土) ワークショップ

あなたも今日からキュレーター
進行:ワタリウム美術館スタッフ

When Attitudes Become Form : Live In Your Head ̶̶ ハラルド・ゼーマンの伝説的展示のサブタイトル“Live In Your Head”。言葉で表現しない「アート」を、あえて言語化することで見えてくる作家の想いを、一緒に探ってみましょう。

④ 11.14(土) 講義

キュレーターとしてのマルセル・デュシャン

講師:平芳幸浩(京都工芸繊維大学教授・美術工芸資料館長)

マルセル・デュシャンは生涯にわたってさまざまな形でキュレーションと関わってきた。国際シュルレアリスム展のインスタレーションや自作のミニチュア美術館の制作など、デュシャンのキュレーター的な振る舞いに焦点を当てて、彼にとってキュレーションがどのような意味を持っていたのかを考える。

⑤ 12.12(土) 対談

キュレーターが別なる政治学をもちえた時代 ― ハラルト・ゼーマンとヤン・フートの記憶とともに

新藤淳(国立西洋美術館主任研究員)+和多利浩一(ワタリウム美術館CEO)
展示ないし展覧会の場が政治そのものの空間と化すことは、過去にも幾度もあっただろう。だが、それらと重なる過去にはまた、直截的な政治ではない、別なる政治学を作動させるキュレーターたちがいなかったか。ゼーマンやフートと、じかに仕事をした稀有な経験をもつ和多利浩一とともに、これからの方途を探りたい。

(未来を)創るアート
⑥ 12.19 (土) 講義

茶室は最初の展示空間だった ― 取り合わせというキュレーション

講師:和多利有(茶会コーディネーター)

現代美術館と茶道という、異なる二つの文化圏を行き来してきた視点から、「キュレーション」という行為を茶の湯から再考する。掛物、茶盌、自然光、沈黙 - 茶会では、それらすべてが「取り合わせ」によって編集され、一つの時間体験として立ち上がる。茶の歴史を振り返り、茶室と展示空間の共通点から、「場をつくる」とは何かを考える。

⑦ 1.16 (土) 講義
複数の時間の場としての展示空間 ― テート・モダン開館から四半世紀を経て

講師:新藤淳

過去の芸術と現代美術とが、時間の距離を超えて併置されている光景を眼にすることは、国外の美術館では、もはやめずらしいことではなくなった。そのような展示法を含むテーマ展示をグローバルに主導してきたのは、2000年に開館したロンドンのテート・モダンだろう。またその時期以降、ジョルジュ・ディディ= ユベルマンらのアナクロニズムの思想が美術史研究や美術館の現場に影響をおよぼしてきた。テートとのプロジェクトであるターナー展にも触れつつ、過去と未来を同時に思考する方法としての展示行為の可能性を語ってみたい。

参加費:全7回 ¥20,000   (講義5回・ワークショップ1回・対談1回)
22歳以下は¥10,000 

ワタリウム美術館サポート会員 ¥15,000、アートパス会員 ¥18,000
※ 原則、お申込みのキャンセル及び返金はお受けできません。あらかじめご了承ください。