知る・見る・創るアート 2025

ロイス・ワインバーガー《無題》1996年 サボテン、ガラスの目、植木鉢

参加者募集
2025年7月12日〜11月15日 土曜日19時〜(見学会はのぞく)

全7回(講義4回+見学会1回+ワークショップ2回)
講師=新藤淳、山口桂、和多利浩一

アートとは鑑賞者が思考を巡らせることで完成する
マルセル・デュシャン

25歳以下の方、ワタリウム美術館 メンバーシップ サポート会員、アートパス会員の方には割引がございます。
ワタリウム美術館1F受付でもお申込いただけます。

モノや情報で溢れかえっている今日、私たちは多くの受動的な娯楽に囲まれた日々を送っている。一見するとアート作品・展覧会を観る行為もまた、受動的な体験に思える。しかし作品の背景を知る、自分なりの解釈を加える、展覧会の趣旨を考える、これこそアートの真骨頂であり、最も能動的体験ではないだろうか。本シリーズでは(過去を)知る(今を)見る(未来を)創るの三部を通して新しい視点からアートとの対話のキッカケを作れることを願っています。

◆スケジュール

知る
① 講義 7.12(土)
受動的/能動的という二元論を超えて――観客の参与をめぐる実践と理論、それらの過去と未来

講師:新藤淳(国立西洋美術館主任研究員)

観客/観者の参与を促す構造をもった芸術作品、およびそうしたものにかかわる理論や言説の展開をできるかぎりたどり、西洋のオールド・マスターの作品や近代絵画、20世紀前半の前衛たちの試み、あるいは1950/60年代以降のもろもろの実験的な企図、主として1990年代から台頭してきたリレーショナル・アートや参加型アート、さらには弓指寛治の展示プロジェクトなどを考察してみたい。

② 講義 7.26(土)
絵画の死後の生?――情報ネットワークとアート・マーケットの時代における画家たちの営為

講師:新藤淳

時代に最適化された解とともに市場やネットワークのなかを効率よく生き延びてゆくのではなく、こんにちの絵画の存在論を鋭く問題化するような作品を制作しているアーティストは少なからずいる。そこで1980年代から最近までの絵画のさまざまな様態を見つめ直し、それらをめぐる諸言説や展覧会を捉え返しながら、画家たちの営為の可能性をあらためて探ってみる。

③ 講義 9.6(土)
「べらぼう」と日本木版の歴史

講師:山口桂(クリスティーズジャパン 代表取締役社長)

今年の大河ドラマは、浮世絵版元の蔦屋重三郎を主人公とした「べらぼう」。しかしその蔦重の活躍の裏には、長い日本の木版の歴史があった。日本が誇る木版画技術の代表選手「浮世絵」と、その現代美術への影響を探ります。

見る
④ 講義 10.4(土)
展覧会の舞台裏|創造の迷宮

講師:和多利浩一(ワタリウム美術館CEO)

展覧会の企画立案から実現までには多くの過程、問題があります。今回はワタリウム美術館で実際に行われた過去の展覧会(JR展 世界はアートで変わっていく、2013 年/ロイス・ワインバーガー展 見える自然/見えない自然、2019年)などを例に、展覧会を作り上げていくドキュメントを紹介します。

⑤ 見学会日時未定(後日、参加者にご連絡します) 
展示替えツアーinワタリウム美術館

普段の美術館を静とするなら、展示替え期間はまさに動である。限られた時間の中で作家とキュレーター、インストーラーによって新しい空間を作り上げる過程を直に体験するツアー。

創る
⑥ ワークショップ 11.8(土)
展覧会2.0 進行:ワタリウム美術館スタッフ

「展覧会を観る」とは単純な視覚的、受動的体験なのだろうか。作品、作者、美術館、観客が交わり対話を生む空間こそ展覧会なのだ。このプログラムではグループでの展覧会鑑賞と共同制作を予定している。いつもとは違う視点で観る展覧会を経て、多角的な考えと理解を通して能動的にアートと関わってみたい。

⑦ ワークショップ 11.15(土)
アートであそぼう アート一夜物語 進行:ワタリウム美術館スタッフ

アート作品一つひとつにストーリーがあります。今宵はあなたがストーリーテラーとなって作品にまつわる物語を創造し、語ってください。

定員:40名

参加費:全7回 ¥18,000   (講義4回・見学会1回・ワークショップ2回)
25歳以下は¥10,000 

ワタリウム美術館サポート会員 ¥10,000、アートパス会員 ¥16,000