知る・見る・創る アート

参加者募集

2024年8月24日〜11月30日 土曜日19時より(見学会 13時より)

全7回(講義6回+見学会1回)
講師= 新藤淳、梅津庸一、和多利浩一、SIDE CORE、杉戸洋、松尾亮良

その遠き過去の作品がなぜ、いかにして未来のアーティストたちを刺戟してきたか

新藤淳 

 

どんな時代にも属さないもの、永遠の未来から私たちに到来するもの、あるいは永遠の未来へと逃れてゆくもの

ドゥルーズ+ガタリ 出典:『アンチ・オイディプス――資本主義と分裂症(上)』宇野邦一訳、河出文庫、253頁

 

25歳以下の方、ワタリウム美術館 メンバーシップ サポート会員、アートパス会員の方には割引がございます。
ワタリウム美術館1F受付でもお申込いただけます。

現代アートがなぜか難解とされているのは、単なる食わず嫌いによるのでしょうか?それともアーティストと私たち鑑賞者との間にはなにか隔たりがあるのでしょうか。アート作品はアーティストから鑑賞者への単なる一方通行で渡されるものはなく、作り手、飾り手、鑑賞者、時代背景、それぞれが絡み合って生まれ、時代を超えて保管されていくものです。

このシリーズは全7回を通して、現代アートの歴史を知り、作品と向き合い、作り手の現場を訪れることで、私たちもアートの未来を創る担い手の一人であることを実感し、これからのアートについて話し合いたいと企画しました。

◆スケジュール

Ⅰ.(過去を)知るアート
① 8月24日(土)      

時空を超える暗号的イメージ

――デューラー《メレンコリアⅠ》とそのアナクロニックな残影たち

アルブレヒト・デューラーの《メレンコリアⅠ》という1514年の銅版画は、数多くの美術史家ばかりでなく、古今のさまざまなアーティストによる解読の対象となり、後世の制作行為をたえず触発してきた。その遠き過去の作品がなぜ、いかにして未来のアーティストたちを刺戟してきたかを考える。

 

② 8月31日(土)      

近代絵画の〈はじまり〉と〈終わり〉の対話?

――クールベとリヒター、レアリスムと資本主義リアリズム

ゲルハルト・リヒターの自宅にギュスターヴ・クールベの風景画があるという逸話を起点としつつ、一見したところ無関係であるように思えるそれらふたりのアーティストの関係、ひいては昨今の「絵画」をめぐる状況について思考をめぐらせてみたい。両者を同時に問題にするとき、おのずとマルセル・デュシャンの芸術や言説が重要な鍵となってくるだろう。

 

③ 9月14日(土)      

永遠の未来から到来するもの|永遠の未来へと逃れゆくもの

――ターナー、抽象絵画に先行する芸術という解釈を超えて

J.M.W. ターナーの芸術は、とりわけかつては20世紀の抽象絵画をさきどりしたものだという解釈をなされていた。しかしここでは、ジル・ドゥルーズ+フェリックス・ガタリが書いていた「どんな時代にも属さないもの、永遠の未来から私たちに到来するもの、あるいは永遠の未来へと逃れてゆくもの」としてのターナーの絵のありかたを問いたい。

 

講師:  新藤淳 国立西洋美術館主任研究員

 

3回に分けて近現代以降の現代アートの流れを知る。アートに求められる時代ごとの社会的役割や時代背景などについても教えていただきたい。最終的には最新の現代アートの流れを捉えたい。

Ⅱ.(今を)見るアート
④ 9月28日(土) 

作品との距離について&とりとめのない話 

講師:  梅津庸一 美術家

そもそも作品を見るとはなんだろう?そして私たち鑑賞者は何を頼りに作品を見るべきなのか。日々作品をつくり、展覧会をつくるエキシビション メーカーの梅津氏に作品との向き合い方を大いに語ってもらう。

 

⑤ 10月26日(土)

公共の場でのアート  

講師:  和多利浩一 ワタリウム美術館CEO

昨今の日本では都内の再開発によるビルの公開空地の利用や、地方の町おこしのためにアートが選ばれる機会が多い。アートが建物の外に出る機会が増え、必然的に公共性が求められる。こうしたパブリックアートの意義と役割について考えてみたい。

Ⅲ.(未来を)創るアート
⑥ 11月16日(土)

アートが生まれる現場を訪れる(見学会13:00〜、現地集合・現地解散)

講師:  SIDE CORE        アーティスト・ユニット

私たちは完成し展示された作品しか知らない。ここでは実際にアーティストSIDE COREのアトリエや制作の現場に足を運び、素の作品を感じて欲しい。

 

⑦ 11月30日(土)

現代アートの現在地と目的地 

講師:  杉戸洋           アーティスト

   松尾亮良        東京芸術大学油画科油画専攻4年

進行:  和多利光        ワタリウム美術館

最終回では長年アート界を牽引してきた杉戸洋と、これからの世代の若手アーティスト松尾亮良を招いて、今日における現代アートの役割とこれからのアートの展望をそれぞれの視点から多角的に考えたい。

定員:40名

参加費:全7回 ¥10,000   (講義6回・見学会1回)
25歳以下はいずれも半額

*   Ⅰ(①〜③)、Ⅱ(④、⑤)、Ⅲ(⑥、⑦)のそれぞれを各¥5,000 でのご参加も可能です。

*   ワタリウム美術館サポート会員の方は半額、アートパス会員の方は20%割引